2005年06月18日

預言者はどっちだ

1.預言者ふたり現る


ある国に、預言者と呼ばれる者が二人現れた。


ひとりは国の東側で多くの民衆の支持を受け、
「イースト」と呼ばれた。


もうひとりは国の西側で同様に名を馳せ、
「ウェスト」と呼ばれた。


イーストとウェスト、どちらが本当の預言者なのか。
世論はまっぷたつに割れた。


その噂は、国王の耳にも届いた。
国王も、どちらが本物なのか疑問を持った。


「二人を闘技場に呼べ」


国王は二人を大きな闘技場に呼び寄せ、
多くの民衆の前で議論をさせようとした。

 
決戦が始まった。


まずイーストは、闘技場を埋め尽くす民衆に向かって問いかけた。


「人類は昔から争いばかりしてきた。そうだろう?」


「そうだそうだ」


「そして、その争いに勝った者が子孫を残してきた」


「そうだそうだ」


「ゆえにわたしたちは、争ったやつらの子孫であり、
 争いを好む遺伝子を持っている。
 そして、その遺伝子は時代を追うごとにますます研ぎ澄まされ、
 未来は争いだらけになるだろう!」


「やっぱりそうかあ!」 


これをじっと聞いていたウェスト。
しばらくして、闘技場の中央で叫んだ。


「果たしてそうだろうか!」


 そして、闘技場の民衆に問いかけた。


「たしかに、人類は昔から争いばかりしてきた。そうだろう?」


「そうだそうだ」


「そんなやつらはまちがいなく早死にする」


「そうだそうだ」


「ゆえにわたしたちは、争わなかったやつらの子孫であり、
 争いを好まない遺伝子を持っている。
 そして、その遺伝子は時代を追うごとにますます研ぎ澄まされ、
 未来は平和で充たされるだろう!」


「な、なるほど〜」


闘技場の民衆は、東側も西側も一斉にウェストを支持した。
イーストも思わず言った。


「なるほど〜」


ウェストは勝ち誇ったように言った。


「やっとわかったか。この偽預言者め。
 おまえのような思想を持つ者を生かしておくと、
 この国の将来に禍根を残すであろう」


そう言うやいなや、
ウェストは腰の剣を勢いよく抜いたかと思うと、
あっという間にイーストをまっぷたつに斬り下げた。


ウェストは剣を高く掲げて叫んだ。


「平和の世がきたれり!」


国王は言った。


「あっぱれウェスト。
 なんじこそ、偽の預言者から国を守った英雄じゃ!」


名声を上げたウェストは、国王の側近として登用された。


しかし数年後、権力を握ったウェストは国王を追放、
自ら王となりウェスト王国を建国、
その親族は権力を独占し、栄華をきわめた。


しかしさらに数十年後、ウェスト王は暗殺され、
子孫は血で血を洗う権力争いを繰り広げた。


そこへ北のノース帝国が、
内乱に乗じてウェスト王国に攻め込んだ。
あっけなく国は滅び、ウェストの一族は滅亡した。


そして時代は過ぎ、ひとときの平和が訪れた。


人々の間では、議論が絶えなかった。
イーストとウェスト、いったいどっちが正しかったんだろう? 


ウェストさ。
ウェストの一族は争いが好きだったんだ。
だからウェストの一族は早死にした。
そしていまの平和がある。
つまり、ウェストは身をもって持論を証明したのだ。


いや、イーストさ。
ウェストはたしかに争い好きで滅びたが、
天下を制して生き残ったのは、
これまた争いで勝ったノース帝だ。
結局、争いを好む者が最後には生き残るのさ。


こんな議論だけなら良かったが、やがて人々は、
どちらを支持するかという意見の対立から、
お互いを憎しみ合い、命を奪い合う激しい争いをまた始めてしまった。


そこにひとり、今度は未来を予言する者が現れた。


「あの預言者たちが現れてから三百年後、真の預言者が現れる。
 その者はこの地の混乱を鎮め、世界に真の平和を築くであろう」


そう言ったこの男は、
自分の信念を貫いて様々な予言を行ったが、
当時の社会に影響をおよぼすようになったため、
ノース帝の命で抹殺された。




2.預言者再び現る


そして三百年の時がすぎた。
そして予言は的中した。


この地に再び、預言者と呼ばれる者が現れたのである。
しかも、また二人であった。


ひとりは国の東側で多くの民衆の支持を受け、
「イーストの再来」と呼ばれた。


もうひとりは国の西側で同様に名を馳せ、
「ウェストの再来」と呼ばれた。


どちらが本当の預言者なのか。
世論は三百年前と同様、またまっぷたつに割れた。


その噂は、三百年前と同様、国王の耳にも届いた。
国王もどちらが本物なのか疑問を持った。


「二人を闘技場に呼べ」


国王は、三百年前と同様、二人を大きな闘技場に呼び寄せ、
多くの民衆の前で議論をさせようとした。


そして再び、決戦が始まった。


まずイーストの再来は、
闘技場を埋め尽くす民衆に向かって問いかけた。


「人類は昔から争いばかりしてきた。そうだろう?」


「そうだそうだ」


「その争いを生き残ったやつらは、
 争うときには争って勝ち、平和なときには平和に暮らした。
 だから生き延びたのだ」


「そうだそうだ」


「ゆえにわたしたちは、したたかな遺伝子を持っている。
 そして、その遺伝子は時代を追うごとにますます研ぎ澄まされ、
 未来はせちがらく、住みにくい世になるだろう!」


「やっぱりそうかあ!」


これをじっと聞いていたウェストの再来。
しばらくして、闘技場の中央で叫んだ。


「果たしてそうだろうか!」


そして、闘技場の民衆に問いかけた。


「これまでの戦乱で、多くの人々が死んだ。そうだろう?」


「そうだそうだ」


「死んだやつらは、争いを好むやつもいれば、
 平和を好むやつもいた。共通するのは、不運だったということだ」


「そうだそうだ」


「ゆえに生き残ったわたしたちは、幸運な遺伝子を持っている。
 そして、その遺伝子は時代を追うごとにますます研ぎ澄まされ、
 未来は幸運に包まれるだろう!」


「な、なるほど〜」


闘技場は、東側も西側も、一斉にウェストの再来を支持した。
イーストの再来は言った。


「こ、これはもしや後攻が有利なのでは?」


ウェストの再来は勝ち誇って言った。


「やっとわかったか。この偽預言者め。
 おまえのような思想を持つ者を生かしておくと、
 この国の将来に禍根を残すであろう」


そう言うやいなや、
ウェストの再来は腰の剣を勢いよく抜いたかと思うと、
あっという間にイーストの再来をまっぷたつに斬り下げた。


と思ったつぎの瞬間、
剣は高い音を響かせてまっぷたつに折れ、空高く舞い上がった。
イーストの再来は言った。


「こんなこともあろうかと、服の下に鎧を着ておいたのだ」


「なんと、したたかなやつ……」


そして折れて舞い上がった剣は、ウェストの再来の頭に落ちてきた。


「なんと、不運なやつ……」


イーストの再来は鎧を脱ぎ、それを高く掲げて叫んだ。


「せちがらい世がきたれり!」


「な、なるほど〜」


闘技場は、東側も西側も、今度は一斉にイーストの再来を支持した。


国王は言った。


「あっぱれイーストの再来。
 なんじこそ、偽の預言者から国を守った英雄じゃ!」


名声を上げたイーストの再来は、国王の側近として登用された。


しかし数年後、イーストの再来は国王をしたたかに追放、
自ら王となりイースト再来王国を建国、
その親族は権力を独占し、栄華をきわめた。


しかしさらに数十年後、
イーストの再来はせちがらく暗殺され、
子孫は血で血を洗う権力争いを繰り広げた。


そこへ南のサウス王国が、
内乱に乗じてイースト再来王国へしたたかに攻め込んだ。
あっけなく国は滅び、イーストの再来の一族は滅亡した。


そして時代は過ぎ、ひとときの平和が訪れた。


人々の間では、議論が絶えなかった。
イーストの再来とウェストの再来、
いったいどっちが正しかったんだろう?


ウェストの再来さ。
ウェストの再来は、とにかく運がなかったよ。
だから、折れた剣が自分の頭に刺さって死んでしまった。
つまり、ウェストの再来は身をもって持論を証明したのだ。


いや、イーストの再来さ。
ウェストの再来はたしかに不運だったが、
イーストの再来が幸運だったわけではない。
したたかに鎧を着こんでいたから助かったのだ。
そして結局、したたかなサウス王が国を取った。
結局、したたかなやつが最後には生き残るのさ。


こんな議論だけなら良かったが、
やがて人々は、どちらを支持するかという意見の対立から、
お互いを憎しみ合い、命を奪い合う激しい争いをまた始めてしまった。


そこにひとり、また未来を予言する者が現れた。


「あの預言者たちが現れてから三百年後、真の預言者が現れる。
その者はこの地の混乱を鎮め、世界に真の平和を築くであろう」


そう言ったこの男は、自分の信念を貫いて様々な予言を行ったが、
当時の社会に影響をおよぼすようになったため、
サウス王の命で抹殺された。




3.預言者三度現る


そしてまた、三百年の時がたったのである。


この地には新しい王がいる。


「そろそろ預言者が現れる年だな」


国王は側近であるわたしにふとつぶやいた。


でも、預言者って何なのですか? わたしにはよくわかりません。


すると国王はニカッと笑った。


「言葉でな、すべての人々を幸せにする者を、預言者というのだ」


そんなことができますか?


「それができたら、奇跡だな。
 ゆえに預言者とは、神から言葉をあたえられた者、という意味なんだ。
 でも、もしそんな言葉があるとすれば、探してみたいとは思わないか?」


探す、のですか?


「そう。どんな言葉も文字の組み合わせで表現できる。
 そうすると、世界を幸せに導く言葉は、案外あるかもしれんぞ。
 みんなが発見していないだけで」


なるほど。それはおもしろい考え方ですね。


「だろう? まあ言ってみれば、眠る魔法だよ。
 魔法の呪文が、数十文字の無限の組み合わせの中に眠っているのさ。
 その呪文を見つけ出して唱えさえすれば、世界が変わる。
 その綴り方を知っているのが、預言者なのさ」


でもわたしには、むしろ逆のように思えてなりません。


「?」


だって国王、この地には、
古くから預言者と呼ばれた者が四人も現れましたよ。
しかし彼らは、すべての人々を幸せにすることは
できなかったと言っていいでしょう。


「……」


それどころか、自分の信じる預言者が正しい、
優れていると、人々は争いを始めました。
意見のちがいはちがいとして、
お互いを認め合って暮らすことができなかったのです。


「みんな仲よくせなアカンな」


しかしながら、彼らの説くところはどれも一理あるものばかりでした。
いったいだれが正しかったのでしょう?


国王は少し考えた後、言った。


「みんな正しいことを言ったのかもしれんな。よし」


突然国王は、眉間にしわを寄せて胸をはり、
威風堂々たる預言者のポーズを取った。


「人類は昔から争いばかりしてきた。そうだろう?」


わたしは国王のこういう遊び心が大好きである。
わたしはニヤリと笑って囃し立てた。


そうだそうだ!


「なぜ争ってきたのか。それは、いろんな種類の人間がいるからだ」


そうだそうだ!


「幸運な者あれば不運な者あり。
 したたかな者あれば素直な者あり。
 争いを好む者あれば平和を望む者あり。そうだろう?」


そうだそうだ!


「ゆえに歴史は、繰り返しの遺伝子を持っている。
 そして、その遺伝子は時代を追うごとにますます研ぎ澄まされ、
 未来は過去の繰り返しとなるだろう!」


な、なるほど! やっぱりそうかあ〜!


「……よし、つぎはおまえさんの番だ」


は? わたしが?


「バカモン。この地は古来より預言者が二人ずつ現れる。
 二人目をやらんか」


いや、それは無理です。何しろ本番に弱い。


「何が本番だ。こういうのを茶番というんだ。適当にやってみな」


さらに国王は釘を刺した。


「わかっているだろうが、この預言者対決は、
 まったく正反対の意見を言わなきゃならんぞ。
 それでいて、説得力がないといかん」


……はあ、では、まあひとつ。


「お」


わたしは頭をかきながら、弱々しく預言者のポーズを取った。


人類は昔から争いばかりしてきた。そうだろう?


国王はとても楽しそうだ。


「そうだそうだ」


なぜ争ってきたのか。それは、いろんな種類の人間がいるからだ。


「そうだそうだ」


だがそいつらはみんな、海から生まれ、陸に上がり、
気の遠くなるような年月をかけて、
人間へと進化したものばかりだ。そうだろう?


「そうだそうだ」


ゆえに歴史も、進化する遺伝子を持っている。
そして、その遺伝子は時代を追うごとにますます研ぎ澄まされ、
未来はより良いものへと必ず進化するであろう!


「……なるほど。まあまあだな」


……まあまあ、ですか? 


「まあひょっとすると、また預言者が現れるかもしれんな。
 そのときは、闘技場に人を集めてみようか」


そしてその日から数ヵ月後のことである。


国中に噂が駆け巡った。
なんとこの地にまたまた、
預言者と呼ばれる者が二人現れた、というのである。


わたしは王の間のドアをバンッと跳ね開けて中に駆け込んだ。


国王! 予言が的中しました!
現れたそうです! 本当に、預言者が現れました!


鼻毛を切っていた国王は、ニヤニヤしながら言った。


「きよったか?」


はい! しかも聞いてください。
ひとりは国の東側で多くの民衆の支持を受け、
『イーストの再々来』と呼ばれているそうです!


「そしてもうひとりは、国の西側で同様に名を馳せ、
『ウェストの再々来』と呼ばれているのだろう?」


そのとおりです。よくご存知で。


「それぐらいわかるわ」


国王は片方の鼻の穴を親指で押さえて、
フンと勢いよく鼻毛を飛ばした。


わたしは急かすように言った。


もちろん、呼ぶのでしょう? 慣例に倣って闘技場に。


すると国王は不敵な笑みを浮かべながらわたしに言った。


「おいおい、
『歴史は、進化する遺伝子を持っている』と言ったのは、おまえさんだろう?
 慣例に倣えば、それは進化ではない。繰り返しじゃないか」


ええ? それでは呼ばないのですか?


「……フッフッフ、今度の日曜日、闘技場だ」


呼ぶのですね。やった!
わたしは声を弾ませた。ワクワクしますね?


「そうだな」


国王はニタニタ笑っている。


「それがな」


国王はいたずら小僧のように目を輝かせて言った。


「じつは預言者は、ひとりしかいなかったんだ」


え? そうなんですか?


「最初にひとり、国の東側で噂になった人物がいたんだ。
 けれど、そのひとりだけだったんだ」


でも、わたしは二人いると聞きましたよ?


「そうだろう。だから仕方なく噂を流したのさ。ワシが」


ええ? どういうことですか?


「ウェストの再々来は、おまえがやれ」


げ、げええ!


「心配ない。
 おまえさんはなかなかいい言葉を持っていると思うよ。
 来週の日曜日、世界に魔法をかけてみないか?」


そ、そんな、できませんよ!


「大丈夫。歴史的には有利な後攻だ。
 まあ危なくなったら助けにいくからさ」


国王は、ニカッと笑った。


翌日、国王はなかば強引に国中へ発令を出した。


「二人を闘技場に呼べ」




そして運命の日曜日。三度目の決戦が始まった。


イーストの再々来と呼ばれる男は、
過去の対決から学んだのか、頭の先からつま先まで全身を鎧で固めていた。


そんなに防備を固めなくてもいいのに……。
よほど警戒しているな。
ウェストの再々来、すなわちわたしはそう思いながら、
イーストの再々来と対峙した。


「さあ、そろそろ行こうか? ウェストの末裔さん」





イーストの再々来は不敵にわたしに語りかけた。
この余裕……。わたしは背筋に戦慄が走るのを覚えた。


そして、民衆に埋め尽くされた闘技場の真ん中で、
イーストの再々来はその戦いの火蓋を切った。


「人類は昔から争いばかりしてきた。そうだろう?」


「そうだそうだ」


「なぜ争ってきたのか。
 それは、人間が生きるために足りないものを
 獲得しなければならない動物だからだ」


「そうだそうだ」


「その争いを繰り返すことで、わたしたちは進化をしてきた。
そうやっていままで生き延びてきたのだ」


「そうだそうだ」


「ゆえにわたしたちは、争いながら進化する遺伝子を持っている。
 そして、その遺伝子は時代を追うごとにますます研ぎ澄まされ、
 未来は争いと進化を繰り返すことになるだろう!」


「やっぱりそうかあ!」


「すなわち、世界に平和は来ない!」


イーストの再々来は力強く断言した。


これをじっと聞いていたウェストの再々来、すなわちわたし。


どうしよう。世界に平和は来ないだって?


たしかにアンタの言うことはまったくそのとおりだ。
人類の歴史上、平和が来た試しはないよ。
でも、だから何なんだ。
人々を幸せにしなけりゃ、世界を平和にしなけりゃ、
預言者とは言えないんだぞ。


わたしは腹をくくって、闘技場の中央で語り始めた。


たしかにそうかもしれない。

けれど、わたしたちがほしいと思うものは、
何もお金や食べものだけではないよね?
エネルギーや領土だけではないよね?


「……」


平和は、ほしくないかい?


「……」


闘技場は静かになった。


なぜ争いを繰り返すのだろう?


それはたしかに、
必要なものが足りていないと思っているからなんだ。
だからみんな、不安になって争い、それが原因で憎しみあってきた。


「……」


だから本当は、耳を澄ましてお互いに何が足りないのか
よく聞かなきゃならないのに、
みんな自分の主張ばかりを通して、人の話を聞こうとしないんだ。
そして逆に、自分の話を聞かない連中を不要なものとして排除しようとする。


「……」


そうやって世界はずっと争いを続けてきて、
傷つけあい、憎しみあってきた。
けれど、もうその争いも限界まできてしまった。
もうわたしたちはケンカをやめなければ、
生きることさえできなくなる。


「……」


だからわたしたちは、あらゆる足りないものを、
奪いあうのではなくて、補いあう必要があるんだ。


「……」


もし、わたしたちが本当に平和を必要とするならば、
わたしたちはいままでとはちがう、新しい進化を始める。


わたしたちは争うことをやめて、
平和を得るために、お互いに耳を澄まし始める。
相手の言うことを耳で聞こうとする。
そして理解しあい、充たしあう。


「……」


すると、平和がきっとやってくる。
いつかきっと、そう思うんだ。


みんな聞こえているかい?
オレはそう思うんだ!
だってみんな、みんな仲間やないか!


闘技場を静寂が包んだ。


……だめか?


しばらくの沈黙の後、闘技場が静かに揺れ始めた。


「……そうだ」


「……そうだよ」


「そうだそうだ!」


「な、なるほど〜」


そして闘技場は、東側も西側も、一斉にわたしを支持してくれた。
あ、やった……。やった!
わたしは割れんばかりの大歓声に包まれた。


そこへ静かに声をかけたのは、イーストの再々来だった。


「耳を澄ましても、みんな文句ばっかりかもしれんぞ?」


え? その声は?
イーストの再々来は兜を脱ぎ始めた。
すると兜から出てきたものは、見たことのあるだれかの顔だった。


こ、国王!


「まったく、おまえさんには負けるよ」


国王はニカッと笑った。


わたしは国王の笑顔を見ると涙があふれてきた。
そしてついには、国王に抱きついて泣いたのだった。



預言者はどっちだ 終
posted by marl at 22:13| Comment(1) | TrackBack(0) | 空でうたたね物語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
どうも!幸せまんです!
10回の物語!は僕の、みんなの宝物になったよ!
ありがとう!&おつかれさま!
幸せまん格言も祝100回です!
どうぞ!お立ち寄りください!
そして!お互い!次の企画に熱く燃えましょう!!
Posted by 幸せまん at 2005年06月28日 10:09
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。